2022/6/2
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6月のおはなし |
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6月のおはなしはホタルです。 日本でホタルというと、初夏の風物詩というイメージがあると思います。 静岡県東部にも修善寺や天城にホタル鑑賞スポットがありますね。 神奈川県内でも箱根や三溪園が有名です。 ホタルは、ゲンジやヘイケという名前がついていることもあって日本あるいはアジアにしか生息していないと思われがちだと思います。というか、けーこ先生もそうでした。 では、日本以外のホタルはどんなものがあるのでしょうか。
まず、ホタルの英語名から紹介したいと思います。 ホタルは、種類とかは省いた基本的な呼び名だけで3種類もあります。
Fireflyは、一番一般的かなと思う呼び名です。 ふたつの単語の熟語で、それぞれfire=火、fly=虫(ハエ)という意味です。 火がついたような様子でプンプン飛ぶハエ?のイメージなのでしょうか。 日本の優雅な印象とはだいぶ違う見かたをされているのがわかりますね。
lightning bugも、ホタルの呼び名として広く使われています。 lightning=カミナリとbug=虫の熟語です。 同じひかるものでも「火」より激しい「カミナリ」に例えるとは、ますます穏やかではありませんね(笑)。 ちなみに、①のfireflyと②lightning bugはアメリカ英語の呼び名で、大まかに分けるとカナダ国境沿いと西部ではfirefly、その他東部地方ではlightning bugと呼ばれる傾向にあるそうです。
ホタルの呼び名その3、glow worm はイギリス英語での呼び名です。 こちらも熟語ですが、それぞれglow=輝く worm=ミミズという意味で、光る様子は穏やかになったものの、生物の種類が虫からミミズに変わってしまっています! でも、これにはちゃんと理由があるんです。 イギリスで見られるホタルは羽が退化していて、そもそも飛ばないのです! 正確にいうと羽が退化しているのはメスだけでオスは飛ぶのですが、光がメスより光が弱く、あまり目立ちません。 さらに、メスは飛ばないということもあり生息エリアが水辺ではなく陸地です。 ヨーロッパのオスホタルは芝生や土の上ででピカピカ光るメスを探して低空飛行で飛び回るのです。
ホタルの英語名を紹介したときに羽がない種類や芝生の上で光るということに触れました。 ここではその点について少し掘り下げていきたいと思います。 日本で見るホタルは主にきれいな水源に生息していて、葉っぱの上でホワホワ光りながら初夏の夜をいろどりますね。 しかし、ホタルにはきれいな水がなくても沼地があれば森や草原にも生息する種類もいるのです。 生息地の違いは水生(すいせい)と陸生(りくせい)と呼び分けるのですが、アメリカやヨーロッパに生息するホタルは陸生だったのですね。
日本とアメリカ、ヨーロッパのホタルについてだいぶ違いがわかってきました。 *主に陸生で、水辺の葉っぱなどにはいない *低空飛行でチカチカ光ながら飛ぶ *呼び名がたくさんあり、ヨーロッパではミミズと呼ばれている 日本より人気度のあまり高くないヨーロッパアメリカ方面のホタルですが、夏の夜、湿地の森や芝生の上をキラキラ光る様子は日本のホタルに負けないくらい幻想的です。 また、陸生のホタルはきれいな水源が必ずしも必要ではないので、水生のホタルと比べて 身近な環境で鑑賞することができます。 例えば、ニューヨークのセントラルパークでもホタルを見られることが知られていますし、湿地や水が近所にあれば自分の庭でも夜スイスイ光ながら飛び回るホタルの群れを見ることができます。 ちなみに、陸生ホタルは日本にも生息しているようです。 光る時間帯が夕方なのでなかなか行きづらいですが、ホタルを探して森林を歩くのも楽しそうですね。
水生も陸生もちがった魅力があって素敵なホタル。 光ながら飛ぶ様子はいつ見ても心が癒されます。 日本でもホタルが住める環境が減っていることが問題になっていますが、アメリカやヨーロッパでも環境破壊などが原因で数を減らしているそうです。 美しいホタルの輝きをなくさないためにも、ふだんから環境にやさしい生活をしたいですね。 |
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