2023/2/7
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2月のおはなし おに、鬼、オニ |
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2月のおはなし 「おに」 日本では、2月3日は節分の日として全国的に豆まきをする風習がありますね。春の始まりを祝い、無病息災を願う大切な行事です。 むかし、春をはじめ季節の変わり目は悪い気が入りやすいと信じられていました。鬼はそんな悪い気や災いの象徴で、豆をまくことで来るのを防ぐことができると信じられていたのです。 ちなみに、豆をまくようになった理由には「魔(ま)を滅(め)っする」の語呂合わせからという説や、豆が日本で重要視され神聖とも考えられている五穀(米、アワ、ヒエ、麦、豆)の中で一番大きいからという説などがあるそう。 手に入る季節などほかの原因もありそうですが、何にしても日本人の先祖は家族や村を守るために豆を使って悪い鬼を追い払ってきたのですね。
豆まきにおける鬼は、災いをもたらす者あるいは災いそのもののシンボルです。 その他では、桃太郎のおにのように直接的に人を襲う怪物のような存在もおにと呼びます。 「鬼」と一言でいってもいろいろな解釈があるのがわかります。 そんな「鬼」を英訳で表現する場合、直訳の言葉がないので背景や解釈に合わせてちょうどいい英単語をあてることになります。 ここでは3つの英単語を紹介します。
ひとつめに紹介するのは”demon”(ディームン)です。漫画やアニメで人気の『鬼滅の刃』という作品がありますね。海外でも人気なこちらの作品、英語の題名は”Demon Slayer”(=鬼を滅するもの)です。 ここでは、鬼はdemonと訳されていますね。 demonは直訳すると「悪魔」で、語言はギリシャ語。なんでも神様と人間の間の神秘的な存在で、人に取り憑いたり苦しませたりする悪霊のようなものを指すんだそうです。 豆まきで想像する鬼よりもはるかに怖い感じがする気もしますが、鬼が人を苦しめる存在として描かれる場合は悪霊、悪魔といった意味合いの強い”demon”が使われるのですね。
鬼の英語表現その2は、”goblin”(ゴブリン)です。 ゲームや物語が好きな人は聞いたこともあるかもしれませんね。 RPGの敵役で登場したり、物語でいうと「ロード・オブ・ザ・リング(指輪の王)」シリーズにもゴブリンが出てきますね。 ①で紹介した”demon”はどちらかという神秘的な存在でしたが、ゴブリンは霊的な力を持つというイメージはないようです。 伝説上の生き物で、サイズはまちまちながら気難しくて悪さをするのがゴブリンです。ヨーロッパの昔話では子どもを食べるゴブリンもいるんだとか。 人に悪さをしてまわり、子どもを食べる存在…豆まきで「いい子にしないと食べちゃうぞー!」と言われたらdemonというよりgoblinが近いのかもしれません!
最後に紹介する「鬼」の英語表現は ”ogre”(オーガ)です。 ①、②と比べるとあまり聞かないかもしれませんが、”ogre”は、ゴブリンと近くて、人型の怪物です。 英和辞書にはダイレクトに「人喰い鬼」と出ているものもあり、ゴブリンより残虐なイメージが強いようです。 ちなみに、ファンタジーが好きなけーこ先生のイメージでは、ゴブリンは服や鎧を着てそうですが、オーガはこん棒を持って緑色で大きな牙でガブリといかれそうです。 豆まきのイメージに出てくる「鬼」もこん棒持ってますよね。もしかして、豆まきの「鬼」に一番近いのは ”ogre” なのでは?
いろいろな英語で「おに」という言葉をみてきました。 悪魔のイメージの”demon”。 気難しくていたずらをする”goblin”。 こん棒片手に暴れて、人喰い鬼とも訳される”ogre”。 あなたなら豆まきの鬼はどの英単語で表しますか? |
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