2023/10/26
|
|||||||
「さむい」のいいかた |
|||||||
9月は「あつい」の表現をいろいろと紹介しましたが、今月は「さむい」です。 北米やヨーロッパなど、日本よりも寒い地方が多いイメージの英語圏諸国ですが、寒さをどのように表現しているのでしょうか。
さむい時の表現といえばまずは ”cold” ですね。 そして ”very” などの形容詞をつけることで「すごく寒い」などのバリエーションもできます。 ”cool” もよく使われますね。寒いまではいかない、涼しいと感じる時やヒヤッとする感覚を表すときにも使います。 ここでは ”cold” や ”cool” 以外でよく使われる表現を紹介しますのでぜひ使ってみてくださいね。
まず紹介したいのは ”chilly” (チリィ)です。 肌寒い気候、あとは時間をかけて冷え込んだ/冷え込むときにも使います。 The chilly air is making me shiver. = 空気が肌寒くて震えちゃう。 It gets chilly here in the evening. = この辺りは夕方になると冷え込む。 ちなみに、最近 ”chill” (チル)という言葉を耳にすることがありますが、その語源もこの ”chilly” の ”chill” です。 ”chill” にはもともと気候以外にも雰囲気や態度などが冷たい場合にも使われるのですが、その冷たさが逆に落ち着いた、まったり過ごすなどの意味のスラングになっています。 熱くなった感情を冷やすみたいなイメージなのでしょうね。 言葉の進化って本当におもしろいです!
次の「さむい」は ”nippy” (ニピィ)です。 ”chilly” と似ていて、ひどく冷えてはいないけど寒い時に使います。上で挙げた「肌寒い」「冷え込む」ですね。 気温としてはどちらも肌寒いので同じような感覚で使えますが違いもあります。 まず、”nippy” のほうが身を切るようなシャープな寒さを表現するのに適しています。 ”chilly” も上の例文にもあるように震えるくらいの寒さを表現できますが、”nippy” と比べたら天候が穏やかです。 なので空っ風が吹いていたり乾燥している時には ”nippy” の方がしっくりきます。 It's gotten nippy suddenly, my lips are chapped. = 急に肌寒くなったらから唇が乾燥してるよ。 2つ目の違いは ”nippy” が ”chilly” より話し言葉に近いという点です。 テレビの天気予報ではどちらも聞くと思いますが、”nippy” はカジュアルな表現だと覚えましょう。
”freezing” (フリージング)は派生した元の単語を考えると意味がすぐわかると思います。 「フリーズ」=「凍る」ですので ”freezing” = 「凍える」寒さ。ということですね。 わかりやすく凍えるほど寒い、めっちゃ寒い!と思ったら迷わず使いましょう。 It's freezing today. I should have worn a scarf. = 今日は凍えるほど寒い。マフラーすればよかった。 こういう日、必ず毎年ありますよね。
肌寒いから始まって凍える寒さまで少しずつ寒さが厳しくなってきました。 次に紹介するのは ”frosty”(フロスティ) です。 突然ですがクリスマスの童謡で ”Frosty the Snowman” (雪だるまのフロスティ)という歌があるのを知っていますか。 子供達が作った雪だるまにシルクハットを被せると雪だるまが動き出して踊り出すという歌です。 雪だるまの名前になっているくらいですから ”frosty” には凍えるの1ステージ上の雪や氷の状態を表現するのに適しています。 We could see our white breath in the frosty air. = 凍るような空気の中自分たちの白い息が見えた。 The frosty grass made a crunchy noise. =凍った草はサクサクと音を立てた。 空気中の凍るような状況だけでなく、霜も ”frost” で表現します。 イメージするのは白い世界。白い雪や霜の中白い息を吐きながら歩く寒い風景が見えたならそれがまさしく ”frosty” です。
凍えるほど寒いのさらに上はないかもしれませんが、ちょっと視点が変わった表現を最後に紹介します。 ”below zero”(ビロウ、ズィロ) は直訳すると「0度以下」、ちょうど水が凍る温度ですね。 日本語では「氷点下(の冷え込み)」が近い表現ではないでしょうか。 ということで、気温が0度ないことを主張したいときなどに ”below zero” を使ったりします。 要は、”freezing” は氷点下ではなくても凍えそうであれば使える。”frosty” も氷点下でなくても雪や霜がある時に使える。でも”below zero” は実際に気温が0度を下回っていないと使えないということです。 なので、凍えそうと氷点下両方の条件が合えばもちろん同時に使っても構いません。 It was below zero this morning, but I cycled to school. My hands are now freezing. = 今朝の気温は氷点下だったけど自転車通学したの。今手が凍えてる。 The temperature fell below zero at night. Be careful of ice patches. = 夜気温が氷点下まで下がったよ。凍った路面に注意してね。
「あつい」に続いて今回は「さむい」の表現も紹介することができました。 cool cold chilly nippy freezing frosty below zero 涼しいから凍えるまで一通り覚えておくとふとした時の表現に役立ちます。 天気の話だけでなく自分の体感温度を伝える時にも便利ですよ。 |
|