2023/11/14
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11月のおはなし 「ドンマイ!」 |
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11月のおはなしは「ドンマイ!」です。 今回から突如始まった”和製英語にご用心”シリーズ第一弾です、笑! わたしたちの日常会話ではカタカナ語がたくさん出てきます。でもうっかりそのまま英語で使ってしまったり、そちらの印象が強すぎて正しい英単語に辿り着かなかったりすることってありませんか? 案外和製英語だとわかりづらい表現や単語もあるので、正しい英語表現や由来なども紹介していきたいと思います。 レッスン英語、和製英語、おすすめの洋書など他のシリーズと合わせてどうぞお楽しみください。
みなさんは「ドンマイ」ってどんな時に言いますか? スポーツなどの試合中? 友達のおっちょこちょいな行動に対して? 「まあまあ、気にしないで」 「元気出してこー」みたいな、慰めと励ましの言葉で使うという人が多いのではないでしょうか。 では、そもそも「ドンマイ」ってどういう言葉なのでしょうか。 まず、「ドンマイ」という英単語は実はなく、 ”don't mind” が元になっています。 では”don't” で始まっているから命令形? いえいえ。実は英語には ”don't mind” という命令形的な言い回しは存在しないのです! 一番近い英語表現をあげるなら ”I don't mind (it).” が当てはまりますが、それもドンマイとは程遠い「お気遣いなく」「かまいません」という意味なのです。 例えば「なんでも大丈夫だよ」と言いたい時に使うのが ”I don't mind.” 。 Do you want chips or chocolate? = ポテチかチョコどっち食べる? I don't mind. = なんでも大丈夫だよ。 また、「いや、別に」や「平気だよ」と言いたい時にも ”I don't mind (it).” を使います。 That sounds tough. = それは大変そうだね。 I don't mind (it). = 平気だよ。 どちらにしても、英語には励ましのニュアンスはないということを覚えましょう。
そもそも英語として存在しない表現ということがわかったところで、ではどのように「ドンマイ」が世に出たのかを調べてみました。 …が残念ながら起源に関する情報は見つけられませんでした…。 というわけで ”mind” 単体でみて、解釈や意味の解説をしていきたいと思います。 ”mind” にはたくさんの意味があります。 ここでは動詞としての意味だけを取り上げますが、それだけでも 迷惑に思う 反対する 気にする 注意する といった意味があり、表現の幅が広い単語です。そして日常的によく使う単語でもあります。 たとえば、イギリスで地下鉄に乗ると必ず見るサインに Mind the gap というのがあるのですが、これは(ホームと電車の)すきまに注意という意味です。 もうひとつよく使われる例をあげると、 Do you mind if I sit here? で、「ここ座ってもいい?」という意味です。 相手に対して迷惑でなけれは、もしよかったら、というニュアンスで質問をしたい時には必ずこれを使います。 if の後に自分がしようとしていることを肯定分で入れれば文は完成です。 正しいドンマイの使い方、覚えましょう!
ここからは、「ドンマイ」の英語表現を紹介していきます、 最初に紹介するのは ”Don't worry” です。 ドンマイ = Don't worry 直訳すると「心配しないで」になりますが、これが「ドンマイ」と比べても文の形式と意味含めて一番近くて的確な表現になると思います。 I didn't bring my umbrella. = 傘持ってこなかった。 Don't worry. I have one. = ドンマイ。私持ってるよ。 ”worry” にはくよくよするや悩むといった意味もあるので、ドンマイと同意になるというわけです。
今度は ”mind” を使った表現です。 ドンマイ! = Never mind! ”mind” は気にする、気をつけるなどの意味があるとお伝えしましたね。 そこに ”Never”(〜しない)をつけて「気にすることないよ」となるわけです。 We have a kanji quiz today! = 今日漢字の小テストだ! Never mind. Let's work on it together at lunch time. = 気にしなくて大丈夫。お昼休み一緒に準備しよう。 ちなみに ”never mind” にはほかにも「もういいよ(気にしてないから許すよ)」「(自分の失敗に対して)まあいっか」などの意味でも使えて便利な表現ですよ。
ドンマイ! = It will be alright! 次の表現は直訳では「大丈夫だよ」「うまくいくよ」という意味。 ちなみにここでは ”will be” としましたが、ほかの未来表現 ”going to be” でももちろんオッケーです。 I don't think I did well. = うまくできなかった気がする。 It will be alright. Now let's go home.= 大丈夫だよ。さあ帰ろう。 ネガティブ思考にはまりそうな時に言われたら元気になれますね。
ドンマイ! = No big deal! 最後に紹介する表現は ”big deal” という熟語をまず理解するとわかりやすいです。 ”big deal” は重大なこと、一大事という意味。 ここではそれを ”no” で否定しているのでドンマイと同じような「(問題ないから)気にしない」という意味になります。 Look, it's sold out. = 見て、売り切れだって。 No big deal. There's another store around the corner. = 気にしないで。角曲がったところにもう1軒あるよ。 「大したことない」というニュアンスが強いこの表現は、相手に気にしなくて大丈夫だと励ましたり、安心してほしいときにピッタリな表現です。
学校で、日常で、「ドンマイ」と言いたくなったり言われる場面はたくさんありますね。 今回は和製英語の「ドンマイ」を英語で正しく表現する方法を紹介しました。 Don't worry. Never mind. It will be alright. No big deal. どれも日常的によく使う表現なのでストックしておきましょう。 心の中にこんなポジティブな表現がたくさんストックされていたら毎日がよりいっそう楽しくなりそうですね! |
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