2024/3/11
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【最終】英検の問題形式一部リニューアルについて |
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すでにご存知の方も多いかもしれませんが、2024年度から英検の問題が一部リニューアルされます。 昨年夏に速報の情報をお届け、今月の6日には要約バージョンを再掲しました。 年度が切り替わって、次回から新しい形式になりますので、最終的な概要や公式の案内についてより詳しくお知らせします。
受験やキャリアアップの指標として、時代に合わせてリニューアルを繰り返してきた英検。 今回のリニューアルのベースにある「英語能力観」は以下の通りです(サイトより抜粋)。 複数の技能(領域)を統合した言語活動の充実を図ること 知識や技能の習得だけでなく、コミュニケーションを行う目的や場面、状況に応じた言語の運用を考える中で思考力、判断力、表現力等を育成すること 速報と再掲記事にも書きましたが、アウトプットに重きを置いて、装備した武器(=単語、熟語、文法など)をいかにうまく使えるかを見るためのリニューアルだと改めて確認できますね。 日本語の社会でも注目されている「コミュ力」というやつです。 母国語でも外国語でもコミュニケーション能力が高い人になれたら、毎日いいことがたくさん起こりそうな気がしませんか? もっと勉強しなきゃ!というより、コミュニケーションを取る楽しさを念頭において楽しく取り組んでもらえたらと思います。 ここでは、ベネフィット英会話教室で最も多くの生徒さんが受験されて、準会場受験制度でも対応できる3級から2級までの3つの試験についてお話しします。
英検3級は、中学卒業程度というレベルの目安がありますが、ベネフィットでは小学生で取得する生徒さんも多い級です。 3級試験の変更点は以下の通りです。 1)変更は一次試験のみ 2)英作文問題が1題から2題に増加。既存の「意見論述」に加えて「Eメール」問題を出題 3)試験時間が50分から65分に延長 リニューアルサイトにある出題例も見てみました。 設問のメールメッセージに対する返信を書くのですが、指定語数が15語から25語なので、文章の数でいうと、2から3文書けば十分です。 書く時は、現在形の肯定文否定文、過去形の肯定文否定文を使ってシンプルイズベストに攻めるのが定石になるのではないかと思います。 設問は、入れなければいけない内容などが箇条書きになっていて「意見論述」の時より長いので、しっかり読んで内容に対応している解答を心がけましょう。 あとは設問のメールに入っている単語やフレーズをうまく自分のメッセージにも取り入れて(疑問文の回答なら一部まるまる引用できる可能性も!)語数をクリアする工夫をすると余裕が生まれますね。 サイトでは、評価観点についても説明しています(カッコ内はけーこ先生の解釈)。 内容 (設問に指示された内容が入っているか) 語彙 (ワードチョイスがおかしくないか、スペルミスがないか) 文法 (文法は正しいか) 以上3つの観点を通して、それぞれ0点から3点の配点で評価をするそうです。 手紙の定型文、挨拶文などはおぼえなくてもよさそうですし、知っている単語の範囲内で確実に文章を完成させることが大切なのではないでしょうか。
準2級といえば、高校受験でも有利になる級。 英検が公式に発表している目安だと高校中級程度のレベル設定になっています。 準2級試験の変更点は以下の通りです。 1)変更は一次試験のみ 2)英作文問題が1題から2題に増加。既存の「意見論述」に加えて「Eメール」問題を出題 3)大問1、短文の語句空所補充が現行20問から15問に減少 4)大問3B、長文の語句空所補充がなくなる 5)試験時間が75分から80分に延長 ライティングに関しては3級と同じ変更内容ですので、大問1と3についてみてみます。 大問1については、サイトを見ると()書きで「熟語・文法問題など」とあります。削られる5問は熟語や文法を問うものということのようです。 大問3Bは、もともと長文を読んで穴埋めをするというもの。 Bがなくなって大問3は長文ひとつになるので、穴埋めが苦手という人には嬉しい変更かもしれません。 出題例も見てみましょう。 指定語数は40語から50語。6から7文が目安になると思います。 準2級の意見論述の方は50語から60語目安なので、それよりは少し短くて大丈夫なようです。 それよりも注目すべきは、題目がEメールであるということと、今までにはなかった「自分から質問をする」という内容になっている点だと思います。 設問にも、はっきりと「質問を2つしなさい」とあります。 会話として成立するように疑問文を正しく書けるかどうかが大事になります。 返信を書いているということを忘れず、内容に対応した文章を心がけましょう。 次は評価観点についてです(カッコ内はけーこ先生の解釈)。 内容 (設問に指示された内容が入っているか) 語彙 (ワードチョイスがおかしくないか、スペルミスがないか) 文法 (文法は正しいか) 以上3つの観点を通して、それぞれ0点から3点の配点で評価をするそうです。 Eメール問題は、よりリアルな日常的な会話を習得を促すものだと思います。 意見論述で書くのがいわゆる作文的な堅い文章だとすると、メールはカジュアルなシチュエーションの文章なので ”I have two reasons (この場合はquestions?)” ”Firstly” などはつかいません。 「ふつう」の文章でいかに気持ちを伝えるかが要です。 教科書で習っているのはこの「ふつう」の英語が多いので、新しく慣れる必要がないのはうれしいですね。 全体の構成を考えると、質問2つがまず必須で、それにプラス4文か5文加えるので、そこにはメールの内容について自分の反応(意見や感想)を入れればよいでしょう。 ここでも難しく考えることはしないで、メールの内容から想像力を膨らませてシンプルでも確実に文章を作っていってほしいと思います。
最後は2級の問題についてです。 1)変更は一次試験のみ 2)英作文問題が1題から2題に増加。既存の「意見論述」に加えて「要約」問題を出題 3)大問1、短文の語句空所補充が現行20問から17問に減少 4)大問3B、長文の内容一致選択がなくなる(4問) 以上が2級の変更点です。 注目すべきなのは試験時間が変わらないという点です。(85分) 減った問題の中には長文も入ってはいますが、今までと同じ時間でライティングを2つ書かなければなりません。 意見論述の語数目安が80語から100語ですし、ここはよく練習して計画する必要性が出てきます。 ライティングの出題例を見てみました。 元の英文の長さは152語、3段落に分かれていました。 それを45語から55語までの要約文にまとめるので、だいたい1/3の量にする感覚ですね。 まず、必ず全文をよく読んでメモを取ったり下線を引いたりしてから解答を書くことをお勧めします。 はじめの部分は意見論述の作文の感覚で簡潔な1文で済ませましょう。 その後は意見をまとめていくのですが、基本的に段落ごとにまとめたらよいと思われます。 1 元の英文に使われている動詞を言い換える 2 その他の部分(具体例や補足の部分)を引用をうまくしながら短縮する とうまくいくと思います。 出題例と同じ様な文章ばかりが出るわけではないのでこのやり方はほんの一例かもしれません。 しかし、要約文の一般的な書き方と照らし合わせても、まず「誰」と「何をする」はしっかり抑えた上で内容の部分を簡潔にするというのは正攻法だと思います。 評価観点もみてみましょう。 内容 (設問に指示された内容と合っているか) 構成 (全体の流れ、つじつまが合っているか) 語彙 (ワードチョイスがおかしくないか、スペルミスがないか) 文法 (文法は正しいか) 3級と準2級のEメール問題にはなかった「構成」というカテゴリーが追加されました(リニューアルサイトと同じ順番で表記したために2つめにあがっています)。 以上4つの観点を通して、それぞれ0点から4点の配点で評価されます。 満点も9点から16点に上がって、問題全体を見ても重要度がグッとあがっていることがわかりますね。 要約をするということは、入ってきた情報を整理してまとめるということ。 答えは一つではありませんが、元の英文の内容に対応しているかのチェックポイントは必ずありますので、見逃さないように練習を重ねましょう。 ここまで紹介してきた変更点で一番慣れが必要な問題だと思うので、できればふだんから練習する場を設けたいですね。
今回は英検の公式リニューアルサイトを踏まえて、より詳細に新しい問題形式についてお知らせをしました。 正直、速報で話していた変更点や対策の予想がそう外れていなかったとホッとしているけーこ先生です。 このリニューアルサイトですが、出題例と評価観点の紹介のほか、解説動画やオンライン説明会の案内もついています。 3月中に期限が来る動画もありますので、時間をつくってゆっくり目を通すことをおすすめします。 そしてなによりも、早い段階で実際の試験を受けてみましょう。 結果はどうであろうと、先生の考察記事よりも身をもって感じたことの方が心に響くことうけあいです。 最後に教室の話を少し…ベネフィットでは「書く/英作文」を重視したプリント学習を導入してから3年が経ちます。 初回から比べてみなさんの表現力は格段に上がり、書くことに対する抵抗感も減ってきていて、その成長には感心するばかりです。 単語や文章をなぞるところから始めて時間をかけて英作文に慣れてきたみなさんですから、今回のリニューアルに対しても自信をもってチャレンジしてほしいと思います。 また、教室としても英作文プリントにEメール/手紙、要約文を取り入れるなど、現状の英検や英語教育に則した内容を提供し続けたいと思っています。 学校や自主学習に加えてベネフィットのレッスンでも自信をつけてもらって、新しい英検もひとつひとつクリアしていきましょう! 最後に、もう一度リニューアルサイトのURLを添付します。 英検リニューアルサイトURL: https://www.eiken.or.jp/eiken/2024renewal/ |
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