2024/4/30
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英検リニューアル:Eメールと要約文 |
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今年も英検受験者募集の時期がやってまいりました。 そこで、今年多くの記事をお送りしてきた問題形式リニューアルについて、もっと実践的な観点でお伝えしたいと思います。 テーマはズバリEメールと要約文です! 3級と準2級はEメール、2級は要約文がライティング2問目として新たに追加されました。 それぞれ使えるフレーズなどを交えて解答のポイントを紹介していきますので、ぜひ準備の参考にしてみてくださいね。
英検3級で出題されるEメール問題の設問内容は以下の通りです: 1)Eメールを受信した設定で、返信を書く。 2)相手からの2つの質問に対応する内容を答える。 3)はじめとおわりのあいさつはすでに書かれているのでその間を埋める。 4)語数は15語〜25語 では、この設問に対してどのように作文を組み立てていけばいいのでしょうか。 いくつか対策を紹介していきます。
まず必ずやってほしいことは、受信したEメールを全文読むことです。 メールには2つの質問が下線で示されていて、ついそこを最初に注目したくなりますが、全体の流れを理解しないと「2つの質問に対応する」は達成できません。 実際の設問にも書いてありますが、解答が受信したEメールに「対応」していないと判断された場合0点と採点されることがあります。 この「2つの質問に対応する」は評価観点のひとつ「内容」にあたるとても大事な部分です。 ここで点をロスしないようにしたいですね。 質問と合わせて前後関係や背景も読み取ることをまず重要視しましょう。 欄外にメモをしたり、本文に印を付けて考えをまとめやすいようにするのもいいかもしれません。
Eメールに目を通したら返信内容を決めましょう。 前後関係や背景も加味してというのは絶対条件として、 例えば、受信したEメールに入っている「2つの質問」の種類によって答えられる内容やバリエーションが決まってきます。 例1)疑問詞(who, what where, why, when, how)が入った疑問文なら、
例2)”Do you like” の疑問文なら「好きかきらいか」答える。 例3)”Do you want” の疑問文なら「ほしいかいらないか」答える。 例4)”Can you” の疑問文なら「できるかできないか」答える。 明らかに対応した返事を書くためにも、まずは質問から表現のパターンを絞っていきましょう。 単語や文例はそのまま元メールから拾うと手間が省けて良いです。 ここで注意したいのは単語のチョイスです。 難しい単語を覚えたり使おうとしたりする必要はありません。(もちろん覚えたい人はどんどん覚えましょう!) それよりも、中学生の場合は今まで自分が教科書で学んできた単語、小学生の場合はベネフィットの小テストやlet's goで覚えた単語のスペルや意味を把握していることの方が大切になります。 それから、英単語を覚えるなら日本語で意味を暗記するのはNG! 1)文例 (辞書や参考書に載っているものでよい) 2)類義語や反対語 を軸にして覚えましょう。 このように覚えていくと、英検対策だけでなく使える英語としての語彙力を強化できます。 受信したEメールの単語や言い回しを参考に、知っている単語を組み合わせて書ける文章を書きましょう。
書く内容が固まってきたら実際に書いていきます。 ここでのポイントは「伝われば良い」ことです。 英語のテストなのにふわっとした基準で矛盾していると感じるかもしれません。 しかし、正確な文法や語彙の知識については他の大問の中ですでに試されています。 ライティング問題で重要視されるのは、コミュニケーションが取れるレベルで英語を使えているかという点なのです。 もちろん正しい文法やスペルで書けるならそれにこしたことはありません。 しかし、仮に文法や語順に多少の間違いがあってとしても、コミュニケーション・エラー(誤解を招くこと)につながらなければ大きく減点されることはありません。 自信が持てないからと文章を書かなかったらそれこそ1点にもなりませんから、必ず何かしら書きましょう。 語数もポイントです。 この15語〜25語の語数設定は実はくせもので、2つの質問の回答として1文ずつ書いても設定語数に届かない可能性が高いです。 でも、そんな時こそ最初に把握した前後関係を活かす時! 受信したEメールの内容を加味した文言を、最初か最後に添えて調整をしましょう。 3級なので、接続詞も無理に使わなくて大丈夫。(However, Therefore,など) シンプルな短文をつなげて伝わる文章を自由に書いてみてください。
(一部3級の対策内容と重複します) 英検準2級で出題されるEメール問題の設問内容は以下の通りです: 1)Eメールを受信した設定で、返信を書く。 2)受信したEメールにあるキーワードの特徴を問う具体的な質問を2つする。 3)はじめとおわりのあいさつはすでに書かれているのでその間を埋める。 4)語数は40語〜50語。 では、解答を組み立てるための対策を紹介していきます。
3級同様、受信したEメールを全文読むことがファーストステップです。 キーワードは下線で示されているので、それを利用してキーワードに関する背景やストーリーを把握しましょう。 返信の中には質問を2つ入れないといけないという条件があります。 返信というともらったボールを返すというイメージですが、自分からボールを投げかけるタスク(課題、やること)もあるので必ず対応しましょう。 3級同様、対応していないかどうかで評価観点の内容の点に影響が出てしまいます。 設問をそのまま引用すると「…Eメールに対応していないと判断された場合は、0点と採点されることがあります。」とあります。 文章力そのものに関係ないところでの失点を防ぐためにも、この時点で対応しないといけない条件を念頭に置いておきましょう。 例えば、質問のタネになるようなポイントをここでピックアップできると理想的です。
いよいよ書く内容を決めていきます。 解答に質問と回答両方を盛り込むためには、肯定文、否定文、疑問文の書き分け使いわけができることが必要です。 また、準2級レベルの英単語を使えているかどうかも重要ポイント。 英検準2級の単語レベルはCEFRのA2レベル。 小学生中学生の受験者で学校の教科書や教室だけでは不安だと思う人は、CEFRのA2レベルに対応している参考書を探すといいかもしれません。 ここでも英単語に対して日本語の意味を暗記しないように。 1)文例 (辞書に載っているものでよい) 2)類義語や反対語 を軸にして覚えるクセをつけましょう! このように覚えていくと、英検対策だけでなく使える英語としての語彙力を強化できます。 英語を英語で考える習慣が身について、その先もっとレベルが上がった時にも対応しやすいですよ。
実際の返信を書いていきましょう。 条件を確かめると、キーワードの特徴を聞く質問を2つに、メールの内容への反応を含めて40語〜50語。 2文を質問に費やすとして、プラス3文くらいで受信メール全体に対するリアクションや質問に対する回答を入れていく計算でしょうか。 ここでのポイントは2点。 1)「伝わる英語」を書くこと。 2)「自然なメール文」を心がけること。 ここでも、コミュニケーション・エラーに繋がらないような間違いなら大きな減点はないと思って大丈夫。 それよりも、伝わることと、メール文として成り立つように書くことに気をつけましょう。 ここで、リアクションの表現として使いやすそうなフレーズを紹介します。
受信したEメールの中には必ず主となる物事や出来事があります。 上で紹介したのは、質問をする前などに簡単に自分のリアクションを示すのに便利なフレーズが3つ。 最後の2つは、メールの内容に対して応えるために使えるフレーズです。 あくまで一例なので、実際の内容によってはそのまま使えるとは限りません。 しかし、覚えておけば回答を決めるためのスタート・ラインになるのではないでしょうか。 なお、設問で触れている「具体的な2つの質問」に関しては、疑問詞を使っていろいろできるので、疑問詞の確認もしておきましょう。 準2級レベルだと、5W1Hのほか ”Whose”(だれの) ”Which”(どちら、どれ) も加えて考えられると理想的ですね。 この要領で 1)リアクションする 2)質問を2つする 3)自分の意見やメールの内容への応えを盛り込む すれば、40語〜50語のハードルはそんなに高くないでしょう。
最後は2級、要約文です。 カジュアルなEメールに比べると少し学術的で難しく感じる人もいるかもしれませんが、ポイントを抑えれば怖くありません。 まずは設問内容をみてみましょう。 1)英文を読んで英語で要約する。 2)語数は45語〜55語 3級、準2級と比べてシンプルですね。 次に要約のポイントです。
要約文は日常的に読んだり書いたりする機会が少ないので、そもそも何なのかを知っておくことが重要になります。 要約文とは「文章の題材や主張を簡単にまとめたもの」です。 そしてその「簡単にする」と「まとめる」を達成するためには、今までの級よりも問題文をていねいに読み取ることが大切になってきます。 英検は時間制限がありますから、効率的に全体の流れやキーポイントを読み取らないといけません。 そのためにも、例えば… 1)繰り返し出てくる単語や表現 2)論理の流れを示す部分 3)結論 4)具体例 などに線を引いたり印を付けたりしましょう。(題材や構成によっては当てはまらないものもあるので見つけられなくても焦ることはありません。) 論理の流れは段落の冒頭文や、文中の接続詞からつかめるはず。 結論はたいてい全体の最後、まとめの部分にあるはずですね。 具体例については、通常要約文にはいれなくてよいことが多いのですが、英検に関していうと大いに活用できるのでここもチェックです。 問題文をていねいに読むことにある程度の時間を割くことで、解答をより早く自信を持って書けるはずですよ。
要約文がなにかを理解して問題文を読んだら実際に何を書くかに目を向けるのですが、ここで活きてくるのが具体例の把握です。 さきほども軽く触れましたが、具体例は要約文にはいれないことが多い要素です。 一般的な「はじめ〜本文〜まとめ」の流れで書かれた文章を要約する場合、どんな例えを使っているかより、作者の意見に重点を置くからです。 しかし、英検のリニューアルサイトに載っている出題例は「まとめ/結論」部分がなく、考察のみで終わる問題文になっていました。 この場合、同じ要約文でも具体例も使って論理の流れを噛み砕いてまとめるという手法を取らないと目安の語数には届きません。 具体例を盛り込んで要約文を書くには2点ポイントがあります。 1)具体例の数は要約文でも減らさない。 2)具体的に説明している内容を抽象的/総称的に言い換える。 例えば、具体例でトマトやきゅうりがでてきたら ”vegetable” や ”healthy food”、絵画や彫刻がでてきたら ”art” など、シンプルな単語や熟語で内容を凝縮するのです。 いろいろな単語をジャンル別で覚えることは、例えばベネフィットの小テストでも取り組んでいることだと思います。 具体例が把握できたら総称にあたる単語などを欄外にメモするといいですね。
題材、論理の流れ、(あれば結論)、具体例、が把握できたらいよいよ解答を書いていきます。 おすすめの手順を紹介すると: 1)はじめに題材に触れる。 2)具体例を総括したり、抽象的に言い換える。 3)論理の流れを踏まえて全体を整える。 そんな簡単に言われても〜、と思うかもしれませんが初手の準備ができていれば大丈夫。 まず解答に使う単語や表現は基本的に問題文から引用しちゃいましょう。 具体例の言い換えだけは工夫が必要なのでここはがんばりましょう。 また、具体例ごとに1、2文ずつ書けると良いのですがここは2級のライティング問題。 シンプルな文章をつなげただけではもう一歩足りません。 接続詞などをうまく使って文章の流れを要約文にも落とし込むように心がけましょう。 例えば
など、論理の流れを示す単語や表現が使えるとまとめる時に役立つはずです。 そのほか、中学校で習うレベルの文型や表現は一度見直しておくことをおすすめします。 これらのポイントを踏まえて、作者の論理の流れを変えずに文章全体の主張をまとめられたら高得点が狙えると思います。
ベネフィットでみなさんは毎週小テストでいろいろな単語を覚えたり、毎月プリントで文章を書いたりしていますね。 英検は、それらの取り組みが身についていることを確認する大切な機会です。 リニューアルしたばかりの今年度は最初うまくいかないこともありかもしれませんが、早く慣れるためにもぜひチャレンジしてほしいです。 これは全ての級のライティングにいえることですが、(英検ライティングの)問題はあくまでもタスク・ベースで、正確さ以上に提示された「タスク」をこなしているかが点数を左右するといってかごんではありません。 文章の出来が多少悪くてもコミュ二ケーション・エラーに繋がらなければ大きな減点はないですが、問題文や設問と関係ない文章はいくら正しくても0点です。 そのことを忘れずに、新しいライティングにも臆することなく取り組んでいってくださいね。 スタッフ一同応援しています! |
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