2024/8/15
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8月のおはなし「bank holiday」 |
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8月のお話は「bank holiday」についてです。 英語圏の中でも主にイギリスの文化である「bank holiday」。 ”holiday” = ホリデー というからには「休日」ということはわかるとして、どのような休みなのか、由来は何なのかなど解説したいと思います!
What's a "bank holiday"? = バンクホリデーってなに? 「バンク」の「ホリデー」ということでしょうか? bank = 銀行 holiday = 休み ストレートに訳すと「銀行がおやすみの日」と取れますが、実はこれイギリスで主につかわれる言葉で、日本でいうところの(国民の)祝日という意味なんです。 なので、使い方も例えば When is the next bank holiday? =次の祝日ってなんだっけ? What do you want to do this bank holiday? =このお休みなにがしたい? など、普通に ”holiday” や ”vacation” と同じように文に組めばよいです。 しかしなぜ ”bank” なのでしょうか?
What is a bank holiday? Where does it come from? =バンク・ホリデーって何?はじまりは? 国民の祝日と同じ意味で使えるというわりにはっきり ”bank” と、施設を指定した表現なのにはちゃんと理由があります。 バンク・ホリデーが生まれたのは19世紀。 1871年にSir John Lubbock(ジョン・ラボック卿)という人物の活躍で制定されました。 ラボック卿は、銀行員であると同時に生物学者であり政治家としても活動をしていました。 ちなみに「進化論」で有名なダーウィンとも親交があったといわれているんですよ。 そんな彼は、当時休みが少なかった銀行員にも十分な休暇を与えるべきだと主張。 結果1871年に ”Bank Holidays Act” (銀行休日法)の制定に至ったのでした。 この法律は当初は名前通り銀行員に向けたものでしたが、その後金融取引ができないことなどを理由に他業種や学校なども休むことが多くなりました。 そして今では国民の休日という位置付けになっています。 バンクホリデーの生みの親ラボック卿のことはあまり知られていない。 = Not many people know about Sir John Lubbock, who is the founder of the Bank Holidays.
イギリス版国民の祝日にあたる ”bank holiday” ですが、年に何日あるのでしょうか? (スコットランドやアイルランドなど、イギリスの中でも一部休日が違う地域があるので、ここではイングランドの祝日を紹介します。) How many bank holidays are there in a year? =バンクホリデーは年に何日あるの? バンクホリデーには、日本のように日付が決まっていないものも多いですが、だいたい月曜日に設定されています。 また、キリスト教のイベントに沿って設定されているものが多いのも特徴です。 (日付けは2024年のもの)
日本では毎年16日が国民の祝日として定められていますが、イギリスはその半分の8日です。 夏休み冬休みといった長期休暇は欧米諸国の方が長い傾向がありますが、祝日は日本のほうが多いのですね。 また、8月以降12月に入るまで祝日がないのも日本の生活に慣れていると少しびっくりします。 学生は ”half-term” ハーフタームといって、学期の中間に1週間ほどの休みがありますが大人は自分でコントロールして休まないと乗り切るのがなかなか大変そう! 最後に、”bank holiday” は日本のお正月と同じくらいの規模でお店や交通機関が休みになるので、将来旅行など訪れる時には気をつけましょう! There are eight bank holidays a year in England and Wales. = イングランドとウェールズ地方では年に8日のバンクホリデーがある。
What's another way of saying "Bank holiday"? =バンクホリデーのほかの言い方はなんていうの? 今回紹介している祝日 ”bank holiday” はイギリス文化発祥の英語表現です。 では他の英語圏ではなんと呼んでいるのでしょうか。 祝日 = national holiday 祝日 = public holiday 祝日 = federal holiday とりあえず3つ挙げてみました。 ”national” と ”public” は一番よく見聞きするのではないでしょうか。 直訳するとそれぞれ「国/国民の休日」と「公的な休日」になります。 次の ”federal holiday” はアメリカで使われる言い方で、”federal” = 「連邦政府」が認めた休日という意味になります。 どちらにしても、法的に定められたという意味が含まれているという点がポイントですね。
今回はあまり馴染みのないイギリス文化の紹介になりました。 英語学習というと、どうしてもアメリカ文化ありきで進んでいきがちですが、本来英語圏はもっと幅広く、そしてそれぞれの地域には素晴らしいキャラクターがあります。 英語圏の定義を母国語が英語の国とした場合、イギリス、アイルランド、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドがあがります。 これだけをとってもどれだけ土地、気候、気質、文化の幅があるか想像できるのではないでしょうか。 言葉そのものや同じ英語でも表現が違ったりイントネーションが違ったりするので、日本語に方言があるのと似た感覚かもしれませんね。 英語というひとつの言語と、それを使う色とりどりの文化について、本ブログを通して少しでも興味や理解が深まれば幸いです。 |
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