2024/12/16
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12月のおはなし 「Winter Solstice」 |
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今年も最後の月になりました。 そして今月のおはなしは6月に紹介した夏至に引き続いて冬至です。 冬至の英語や、世界の行事を紹介します。
What's 「冬至」 in English? 冬至は一年の中で(北半球では)陽が出ている時間が一番短い日です。曜日は天文学的に毎年決まり、だいたい12月21日か22日です。 今年2024年は12月21日(土)ですね。 夏至の回でも紹介しましたが ”solstice” はラテン語が由来で「sol = 太陽、stice = 動かない」という構成になっています。 そこに夏とか冬とかつくことになるわけですが、冬至の場合は語源ではなく英語の意味がわかると理解しやすいです。 solstice = 至点、極点 (summer, winterをつけない状態で夏至冬至を指す場合も) 冬の季節、(北半球から見て)太陽は空の低い位置に昇って昼過ぎには沈んでいきます。 そして冬至には太陽が通る道は一番低くなります。 太陽の通る道が限界まで低くなる日という意味で、「冬至 = 冬が極まる点」という呼び方もしっくりきますね。 ちなみに、太陽の位置が低くなると日照時間が短くなっていくのですが、北極圏では特に冬至前後陽が一度も昇らない「極夜」という現象が見られます。 昔の人たちは太陽が昇らないことにきっと大きな不安や恐怖を覚えたに違いありません。 そんな天文学的現象もあいまって、冬至はいろいろな文化で祭事やお祝いの対象になったのでしょう。
What do people do on the winter solstice? = 冬至には何をするの? 冬至といえば、日本ではゆず湯やカボチャがよく知られていますね。 ゆずとカボチャはその黄色い色から、魔除けの意味があるのだそうです。 古来はゆずが入ったお風呂で身を清め、カボチャを食べることで運気上昇や健康を願っていたのですね。 また、あまり知られていないかもしれない風習としては「一陽来復」のお守りを頒布している神社もあります。 (一陽来復は冬至のこと。冬至に陰の気が極まったのち(太)陽の力が復活するとされていることから「ものごとが良い方向に向かうこと」を指す四字熟語でもある) In Japan, many people enjoy "yuzu-yu" or eat pumpkins on the winter solstice. = 日本では、多くの人が冬至にゆず湯に入ったりカボチャを食べたりします。 "yuzu-yu" is a hot bath with yuzu (Japanese citrus fruit) floating in it. = ゆず湯は、熱いお風呂にゆずを浮かべて入ります。 では、世界ではどのような行事や祭事が行われているのかも見ていきましょう。
How do people celebrate the winter solstice around the world? =世界ではどうやって冬至のお祝いをしているの? 冬至といってもその存在の大きさや行事の重要度は歴史や宗教の影響によってさまざまです。 例えば、日本の紹介ででてきた「一陽来復」のお守りはどこの神社にもあるわけではありませんし、冬至から節分までの長期にわたって頒布(はんぷ)しているそうです。 海外の冬至にはどんなイメージを持っていますか? ここではふたつ紹介します。
中国の冬至は、同じ漢字で「ドンジ」と呼びます。 冬至は天文学的な日でもありますが、二十四節気(にじゅうしせっき。四季をそれぞれさらに6つに分けて表す暦)のひとつでもあります。 二十四節気は紀元前4世紀ごろに発明されたとされる中国発祥の暦で、日本には6世紀ごろに伝えられました。 そのために同じ漢字というわけです。 では中国でもゆず湯に入ったりカボチャを食べたりするのかというと、そうではないようです。 中国では冬至節といって伝統的に冬至をお祝いする風習があります。 現代の暦では1月1日が新年のお祝いする日で、さらに中国の旧暦で定められた新年「春節」もあります。 しかし中国では「冬至は新年のごとし」という考え方が定着している地域もあるんだそうです。 中国のひとたちにとって今も冬至は季節や(運)気が切り替わる大切な節目だということがわかりますね。 そんな大切な冬至には、家族や親戚が集まって団らんを楽しみながら、餃子や湯円(タンユエン)という紅白の小さい甘いお餅を食べるのだそうだそうです。 本当にお正月のようですね。 Chinese people celebrate the winter solstice like it is the New Year. = 中国の人たちは冬至を新年のようにお祝いします。 Tangyuana are sweet dumplings eaten on the winter solstice. They symbolise family unity. = タンユエンは冬至に食べる甘いお餅です。家庭円満を象徴します。
次に紹介するのは ”St. Lucia's Day” 聖ルシア祭です。 スウェーデンをはじめとする北欧諸国では、緯度が高いせいもあって冬至のころ日照時間が極端に短くなります。 冒頭で紹介した極夜(陽が一日中一度も昇らない)が起こる地域があるのも北欧です。 そんな地域に根付いた冬至の祭事聖ルシア祭は、国や地域によって規模や内容が変わるものの毎年同じ日にち12月13日に行われます。 (一部南欧の国でも祭事が行われるそうですがここでは北欧にフォーカスして紹介します) というのも、12月13日は旧暦の冬至にあたる日なのです。 北欧の人たちにとって太陽は特別な存在で、生命や自然の恵みそのものです。 そんな太陽の恵みが受けられない冬の時期は「不吉な時期」とされ、昔から太陽の復活を願うお祭りを12月13日に行ってきました。 たしかではないですが、この太陽への強い想いと「光」という意味の名前を持つ聖人ルシアが合わさったことが聖ルシア祭のはじまりではないかと言われているそうです。 例えば現在も盛大にお祝いをするというスウェーデンでは、白いワンピースを着た女の子たちが街中や教会で行進をする風習があります。 先頭に歩く女の子は聖ルシア役で、キャンドルとコケモモの蔓があしらわれたかんむりをかぶっています。 その後ろには天使役の女の子たちが続きます。(最近ではその後ろに星の少年と呼ばれる男の子たちが出てくることもあるんだそうです。男女平等を重んじる北欧らしい変化ですね。) お祭りならではの食べ物ももちろんあります。 サフランを練り込んだ黄色いパン「ルッセカッテル(ルシアの猫)」や日本でもよく見るようになってきたジンジャー・クッキーなどを振る舞ってコーヒーと一緒に楽しむのだそうです。 長くて暗い冬、ゆっくりと楽しむコーヒーとルッセカッテルはさぞ美味しいのだろうと想像せずにはいられません。 Many people in scandinavian countries celebrate St. Lucia Day. = 北欧では多くの人が聖ルシア祭をお祝いします。 People take part in processions and enjoy traditional food like lussekatter. = 行進に参列したりルッセカッテルという伝統的な食べ物を楽しんだりします。
日本や世界の冬至の風景を紹介しました。 北欧は夏至の回でも紹介しましたね。 夏至、冬至は天文学的にも重要な意味を持ちますが、人が暮らす上での想いや文化的な面においても重要な意味をもっているのですね。 日本はわりあい四季のバランスがよくそれはそれで美しいですが、極端な暗さや明るさがある自然環境だったらまた違った歴史を歩んでいたのかもしれません。 今回の冬至に限らずですが、ここで紹介しなかった行事や風習はまだまだたくさんあります。 気候、地理、文化、宗教など、さまざまな要因で形成される営みひとつひとつを祝福して認め合える世界を目指したいものですね。 というわけで、2024年のブログテーマ「年中行事」も今回で終わりです。(ブログ更新はまだ1回あります) 限定的ではありますが、さまざまな歴史や文化に出会うきっかけになったのであればうれしい限りです。 |
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