2025/10/15
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10月のおはなし 「October Birthstones」 |
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暑い日もある中、秋の気配が日に日に濃く感じられるようになってきました。 さて、秋のイメージカラーというと、赤系や茶系を思い浮かべる人が多いかなと思います。 紅葉、焼き芋、栗 … 赤と茶色の美しすぎるハーモニーですね! ではその秋が始まっていく10月の誕生石はというと、実にカラフルな石が選ばれています。 さっそくみてみましょう。
It's October. Do you know the birthstones for this month? = 10月だね。今月の誕生石は知ってる? Of course I do! They are Opal and Tourmaline. = もちろん知ってるよ!オパールとトルマリンでしょ。 9月にも触れましたが、今月からは毎月2個や3個の誕生石がある月が続きます。 冬はクリスマスもあるし、宝石をプレゼントしたくなるからでしょうか? ともあれ、10月の誕生石は主にオパールについてお話ししたいと思います。 特徴、逸話、和名を知っていきましょう!
Have you ever seen an opal? = オパールって見たことある? I don't know. What does it look like? = わかんない。どんな石なの? オパールは、誕生石の中でも普段から見る機会の多いパールやガーネット、トルコ石などと比べてあまり日常的に出回っている石ではありません。 しかし、オパールは日本でも採れる石で、富山県には「新湯の玉滴石」(しんゆのぎょくてきせき)の名前でオパールが国の天然記念物に指定されています。 さらに、2023年1月には北海道で新種のオパール「北海道石」も発見されました。 もっと報道してほしかったと思うのは私だけでしょうか? ではオパールの主な産地はどこかというと、オーストラリアです。 オーストラリアはオパール産出量世界一で、その質や種類もトップクラスの産地として有名です。 ところで、オパールの質や種類はこの石の最大の特徴に直結しています。 実はオパールは厳密には鉱物ではありません。 準鉱物(mineraloid)といって、一見鉱物に見えるものの結晶構造を持たない石の仲間です。 ではどういった構造なのかというと、主成分はミネラルの一種シリカとなんと水です。 微細なシリカの粒子がゼリー状に固まったものがオパールで、身近なものでいうとガラスに 近い構造なのです。 そしてこの構造は石の最大の魅力 "play of colour" を生み出しています。 "play of colour" は日本語にすると「遊色効果」で、見る角度や光の種類/当て方によって石の色が変わるという意味です。 主成分のシリカの粒子が並んでいるところ光を当てると屈折や分散を繰り返してさまざまな色に輝くという現象が起きます。 宝石としての価値を決める時には、遊色の割合、鮮やかさ、パターンの多さが考慮されるそうです。
There is an old story about opals in Aboriginal folklore. = アボリジニにはオパールに纏わり古い話が受け継がれてるんだよ。 ここでも、オーストラリアの話をしたいと思います。 オーストラリアの先住民アボリジニに伝わる伝説によると、オパールは世界の創造主が虹の橋を渡って大地に降り立った時に生まれたとされています。 創造主が歩いたところに光の痕跡が残り、それがのちにオパールとして具現化したというものです。 オパールは神の存在の証明といってもいい、信仰を司る石だったということがわかります。
What is opal called in Japanese? 日本でも採れることがあると紹介したオパールですが、「玉滴石」も「北海道石」も正式な鉱物としての和名ではありません。 オパールの和名は「蛋白石(たんぱくせき)」です。 opal = 蛋白石 由来はオパールの色が、日本で採れるものは特に乳白色をしていてそれが卵の白身に似ていることです。 さきほど遊食効果の話をしましたが、実は全てのオパールに遊色効果があるわけではありません。 日本では主に白色で遊色効果もないか少ないオパールが多いためにこの名がついたのではないかと推測します。 ちなみに、遊色効果が出ているオパールとそうでないオパールを区別して 遊色効果がある石 = プレシャス(貴重な)オパール 遊色効果がない石 = コモン(ふつうの)オパール という呼び方もあります。 本ブログのアイキャッチにある右2つの石はプレシャス・オパールです。 Let me also talk about tourmalines. = トルマリンの紹介もさせて! 10月からは誕生石が盛り沢山とうことで、ここでは簡単に10月のもうひとつの誕生石「トルマリン」を紹介します。 トルマリンの最大の特徴といえば幅広いカラーバリエーション。 混入元素によって色が変わるので、同じトルマリンでも鉄が多いと青〜緑、マンガンならピンク〜赤、マグネシウムなら黄色とほとんどの色が存在します。 しかもそれがグラデーションで出たり縞模様で出たりするのですから見つけた人たちはさぞわくわくしたことでしょう。 和名は「電気石」で、これもなんとも不思議な石の個性からついています。 トルマリンは熱を加えると帯電するという特徴があるのです。 オパールも個性的ですが、トルマリンも負けていませんね。
October birthstones are so colourful and beautiful. = 10月の誕生石はカラフルで素敵だね。 10月は色彩豊かな石ばかりが集まりました。 しかも、正式には鉱物ではなかったり帯電したり、色以外でも個性的な石ばかり。 七色のアクセサリーでもなんでもできちゃいそうです。 偶然が生んだ色彩と輝きは自然の雄大さを表していると思います。 |
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